益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

秋の蝶 秋蝶 3

自選句。秋蝶の何かせはしき花背かな 益弘

冬近し 冬隣 冬を待つ 

自選句。剥げさうな季寄せの表紙冬隣 益弘

冷まじ 秋すさぶ

自選句。冷まじや紙の葬花の紙の音 益弘

凩 木枯

自選句。凩の掃き残したる星屑よ 益弘

夜寒 宵寒 夜寒し

自選句。猫抱きて猫につぶやく夜寒かな 益弘

温め酒 ぬくめ酒 3

自選句。独り酌む酒人肌にあたゝめむ 益弘

薄紅葉

自選句。ひとづまと訪ぬる嵯峨の薄紅葉 益弘

蛇穴に入る 秋の蛇 穴惑ひ 蜥蜴穴に入る 蟻穴に入る

自選句。小栗栖に光秀の藪穴まどひ 益弘小栗栖=おぐるす

霜降

自選句。玲瓏と霜降の空ありにけり 益弘

猪 瓜坊 猪道

自選句。まつすぐに逃げて猪撃たれけり 益弘

鵙 百舌鳥 鵙の高音 鵙の声 鵙の贄 鵙日和

自選句。鵙の贄人目に触るゝ高さにて 益弘

秋深し 深秋 秋深む 秋さぶ 秋闌ける

自選句。百獣の王の瞑想秋深し 益弘

秋惜しむ

自選句。惜秋や骨董街をたもとほり 益弘

秋の蝶 秋蝶 2

自選句。さやうなら空のまほらへ秋の蝶 益弘

夜学 夜学子 夜学生 夜学校

自選句。指にまた包帯をして夜学生 益弘

冷やか 冷ゆ 秋冷 下冷え 朝冷え 夕冷え

自選句。脳のこと考ふる脳冷ゆるなり 益弘

夜なべ 夜業 夜仕事

自選句。夜業人なべて機械のしもべなる 益弘

天の川 銀河 銀漢 雲漢 天漢 河漢 星河 3

自選句。生きて死ぬそれだけのこと天の川 益弘

秋の雲 秋雲 3

自選句。秋雲や十で神童いまいづこ 益弘

秋の野 秋野 秋郊 野の秋 秋の原

自選句。秋郊や雲の影追ふ雲の影 益弘

黄落 黄落期

自選句。デッサンの線走らせて黄落季 益弘

虫 虫の声 虫の音 虫すだく 虫時雨 虫の闇 昼の虫 残る虫 すがれ虫 虫籠 虫売 2

自選句。耳塚といふ虫の闇ありにけり 益弘

柿 甘柿 渋柿 富有柿 次郎柿 熟柿 木守柿 柿日和

自選句。日の本の色となりたる熟柿かな 益弘

温め酒 ぬくめ酒 2

自選句。身のうちの鬼を宥むる温め酒 益弘

雁 かりがね 真雁 初雁 雁渡る 雁来る 雁の列 雁の棹 雁行 雁の声 落雁

自選句。二階には二階の風や雁の声 益弘

蓑虫 鬼の子 鬼の捨子 蓑虫鳴く

自選句。鬼の子の鬼ともならず揺れてをり 益弘

秋思 秋愁 秋懐 傷秋 秋あはれ 秋さびし

自選句。うつくしき山の容の秋思かな 益弘※容=かたち

初紅葉

自選句。祇王寺の滝口寺の初もみぢ 益弘

秋晴 秋日和 菊日和

自選句。鳥は翔び人は歩みて菊日和 益弘

釣瓶落し

自選句。釣瓶落し宇治の早瀬に見了んぬ 益弘