益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

温め酒 酒温む

きょうの自選句。医の宥す一合の酒あたゝめむ 益弘

鈴虫 月鈴子

きょうの自選句。鈴虫や寝物語のとぎれがち 益弘

小鳥 小鳥来る 2

きょうの自選句。もの思ふひとりに小鳥来てゐたり 益弘

秋の蝶 秋蝶

きょうの自選句。白山系へ秋蝶のさやうなら 益弘

黄落 黄落期

きょうの自選句。鉛筆の芯を鋭く黄落季 益弘

秋果

きょうの自選句。絵のやうに秋果を盛りてひとりなり 益弘

秋深し 深秋 秋深む 秋さぶ 2

きょうの自選句。秋深き音のあつまる地獄耳 益弘

火恋し

きょうの自選句。思ひ出す女の体温火恋し 益弘

秋の夕焼 秋夕焼

きょうの自選句。コンドルが金網を咬む秋夕焼 益弘

虫 虫の声 虫の秋 虫時雨 虫の闇 2

きょうの自選句。ぬばたまの耳塚といふ虫の闇 益弘

秋の虹 秋虹

きょうの自選句。秋虹が消ゆ東京の早歩き 益弘

露 白露 朝露 夜露 露けし

きょうの自選句。露の世に行方不明の男女かな 益弘

秋の暮 秋の夕暮 秋夕 秋夕べ

きょうの自選句。誰もゐぬうしろの正面秋の暮 益弘

草の絮 穂絮 穂草の絮 穂草 穂絮とぶ

きょうの自選句。忘れてもいいことばかり草の絮 益弘

秋の草 秋草 千草 八千草 色草

きょうの自選句。八千草の床しきなまへ数へけり 益弘

流れ星 流星 星飛ぶ 星流る 2

きょうの自選句。一瞬に五十路となりし流れ星 益弘

虫 虫の声 虫の秋 虫時雨 虫の闇

きょうの自選句。虫の夜のなかなか寝顔美人かな 益弘

爽やか さやけし さやか 爽涼

きょうの自選句。爽やかに話して他人同士かな 益弘

小鳥 小鳥来る

きょうの自選句。曇りのち小鳥来てゐる金閣寺 益弘

秋深し 深秋 秋深む 秋さぶ

きょうの自選句。百獣の王の瞑想秋深し 益弘

夜業 夜なべ 夜仕事

きょうの自選句。夜業人なべて機械のしもべなる 益弘

濁り酒 濁酒 どぶろく

きょうの自選句。濁り酒ここは銀河の番外地 益弘

霧 狭霧 霧笛 霧襖

きょうの自選句。再会を誓ふシスコの夜霧かな 益弘

鵙 鵙の声 鵙の贄 鵙日和

きょうの自選句。鵙の贄人目に触るゝ高さにて 益弘

冷やか 冷ゆ 秋冷

きょうの自選句。冷やかに裏切る猫を愛するなり 益弘

柿 甘柿 渋柿 熟柿 木守柿

きょうの自選句。日本の色となりたる熟柿かな 益弘

秋思 秋意 秋愁 秋淋し 秋あはれ

きょうの自選句。サルトルの斜視にはじまる秋思かな 益弘

鉦叩

きょうの自選句。鉦叩はじまりあればをはりあり 益弘

雁渡し 青北風

きょうの自選句。声量の豊かなる空雁渡し 益弘

稲妻 稲光 稲つるび

きょうの自選句。稲妻のふところ深き夜空かな 益弘