益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

川床料理

きょうの自選句。京のもの皆あえかなり川床料理 益弘

きょうの自選句。虹消えてゆく東京の早歩き 益弘

病葉

きょうの自選句。病葉やところどころに狭き空 益弘

山繭

きょうの自選句。山繭や卑弥呼の睡りとこしなへ 益弘

捨仔猫

きょうの自選句。仏飯を喰ふ捨仔猫喰へばよし 益弘

網戸

きょうの自選句。網戸よりわが身不在のわが家見る 益弘

きょうの自選句。蟻が運び去り一件落着す 益弘

夕焼川

きょうの自選句。いつよりを晩年といふ夕焼川 益弘

鉄風鈴

きょうの自選句。癒えて聞く鉄風鈴の音の確か 益弘

暑し

きょうの自選句。北行きを上がると云ひて京暑し 益弘

麦秋

きょうの自選句。麦秋や女につよき糸切歯 益弘

茂り

きょうの自選句。落柿舎の柿より茂りはじまれる 益弘

浜昼顔

きょうの自選句。ひるがほも水平線も見飽きたり 益弘

トマト

きょうの自選句。太陽に味ありとせばトマトかな 益弘

毛虫焼く

きょうの自選句。毛虫焼きゐて美しき虚空かな 益弘

端居

きょうの自選句。後の世へ顔向けてゐる端居かな 益弘

胡瓜

きょうの自選句。まつすぐな胡瓜が並ぶおそろしき 益弘

滴り

きょうの自選句。滴りや山は太初の闇蔵す 益弘

母の日

きょうの自選句。母の日や用なく遺る鯨尺 益弘

火蛾

きょうの自選句。水面に火蛾の骸とうたかたと 益弘

青林檎

きょうの自選句。青林檎描きをへたら齧るなり 益弘

ハンモック

きょうの自選句。時計せぬ腕がかろしハンモック 益弘

短夜

きょうの自選句。短夜や忘れてゆきし耳飾り 益弘

夏空

きょうの自選句。砲丸の美しかりし夏天かな 益弘

油虫・ごきぶり

きょうの自選句。人類の殲びし星の油虫 益弘

きょうの自選句。疑ふな死ぬ人ひとり見し虹を 益弘

子供の日

きょうの自選句。射る如き瞳無数に子供の日 益弘

夕焼

きょうの自選句。朱鷺すでに舞ふことのなき夕焼かな 益弘

憲法記念日

きょうの自選句。渋滞のさなか憲法記念の日 益弘

夏近し

きょうの自選句。箸置は小舟のかたち夏近し 益弘