2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。ぬばたまの耳塚といふ虫の闇 益弘
自選句。落柿舎の殊に裏手の虫しぐれ 益弘
自選句。虫の夜のなかなか寝顔美人かな 益弘
自選句。秋風や一つ喪ふ永久歯 益弘
自選句。新涼のイノダコーヒのテラス席 益弘
自選句。月光のダム月光の一縷吐く 益弘
自選句。斎場へつづく矢印秋の風 益弘
自選句。仮病われに母は林檎を剥きくれし 益弘
自選句。花野ゆくいつか一人になる二人で 益弘
自選句。京町家奥に鈴虫鳴かせをり 益弘
自選句。千年の水千本の萩の花 益弘
自選句。有の実をいのち少なき母に剥く 益弘
自選句。露の世に坐りなほして飯を食ふ 益弘
自選句。白露やたまたま人に生れけむ 益弘
自選句。蚯蚓鳴くさすが六道珍皇寺 益弘
自選句。つかの間の逢瀬となりぬ大文字 益弘
自選句。東京に不二見えてゐる終戦忌 益弘
自選句。秋蝶を日暮れの色に見失ふ 益弘
自選句。久闊の送信二秒天の川 益弘
自選句。ふり向けば既にたそかれ秋の蝉 益弘
自選句。稲妻のふところ深き丹波かな 益弘
自選句。かなかなの鏡の中の鏡かな 益弘
自選句。坂道に影の蝶生れ長崎忌 益弘
自選句。存在をかそけくすれば蜻蛉来る 益弘
自選句。正視してをとこ心の桔梗かな 益弘
自選句。ひしひしと石積むが見ゆ広島忌 益弘
自選句。ひきしほに汐木をかへす晩夏光 益弘
自選句。夏惜むタクラマカンの石一つ 益弘
自選句。行く夏の渚にのこす砂の城 益弘
自選句。冷房の効きゐて壁に原爆図 益弘