益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

秋澄む

きょうの自選句。生きて死ぬそれだけのこと秋澄めり 益弘

天高し

きょうの自選句。まぼろしの龍よ麒麟よ天高し 益弘

林檎

きょうの自選句。等分に林檎を切りし母の愛 益弘

団欒

きょうの自選句。永きながき団欒となりぬ台風圏 益弘※団欒=まどい、「だんらん」のこと。

銀漢(銀河・天の川)

きょうの自選句。銀漢や枕の下の怒濤音 益弘

釣瓶落し

きょうの自選句。キネマ出て釣瓶落しの世にまじる 益弘

猫のお相手

きょうの自選句。長き夜の猫のお相手致しけり 益弘

昼の虫

きょうの自選句。昼の虫石にもこゑのある如し 益弘

萩の花

きょうの自選句。千年の水千本の萩の花 益弘※梨の木神社。

零余子飯(むかごめし)

きょうの自選句。父が炊き母に供ふる零余子飯 益弘※在りし日の父を詠んだ一句。

秋の蛇

きょうの自選句。小栗栖に光秀の藪秋の蛇 益弘※京都山科小栗栖(おぐるす)に 天王山で敗れた明智光秀が潜んでいた藪がある。 明智藪と云う。

秋風

きょうの自選句。葬家へとつづく矢印秋の風 益弘

きょうの自選句。屋根づたひどこへも行けて月の猫 益弘

天高し

きょうの自選句。一塵のごと吹かれゐて天高し 益弘

秋刀魚

きょうの自選句。一票投じ来て秋刀魚焼いてをり 益弘

ちちろ(蟋蟀・こおろぎ)

きょうの自選句。西行を去来を偲ぶちちろかな 益弘※弘源寺墓苑

蟷螂

きょうの自選句。蟷螂の斧をねぶりて飢ゑにける 益弘

秋の蜂

きょうの自選句。秋蜂の客死してをる畳かな 益弘

鵙の贄(もずのにえ)

きょうの自選句。天水に濡れて色めく鵙の贄 益弘

虫の秋

きょうの自選句。人生は永すぎるなり虫啼けり 益弘

秋簾

きょうの自選句。秋簾町家も減りし町家筋 益弘

鉦叩(かねたたき)

きょうの自選句。考へを止め鉦叩聴きゐたり 益弘

再び、台風

きょうの自選句。台風圏メロスの如く来たりける 益弘

台風

きょうの自選句。台風の置いてゆきたる鼠かな 益弘

秋風

きょうの自選句。秋風の京に七口ありにけり 益弘

秋の夜

きょうの自選句。秋の夜の振子時計の振子音 益弘

爽やか

きょうの自選句。爽やかや声出して読む定型詩 益弘

水の秋

きょうの自選句。水の秋鯉に背筋のありにけり 益弘

ちちろ

きょうの自選句。各駅に停まるちちろに停まるかな 益弘

囮(おとり)

きょうの自選句。放たれし囮のとまる囮籠 益弘