益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

花衣

きょうの自選句。待ち合すフラミンゴのまへ花衣 益弘

三月

きょうの自選句。三月の空を去る人来る人 益弘

花筏

きょうの自選句。滝つ瀬の果は天竺花筏 益弘

櫻4

きょうの自選句。長堤の果は天なる櫻かな 益弘

櫻3

きょうの自選句。夜櫻や滾り切つたる湯の静寂 益弘

櫻2

きょうの自選句。一切を水の見てゐし櫻かな 益弘

櫻1

きょうの自選句。フロッピーディスクにしまふ櫻かな 益弘

花時雨

きょうの自選句。タクシーを拾ふ女人や花しぐれ 益弘

花の昼

きょうの自選句。秒針の音聴き澄ます花の昼 益弘

花冷

きょうの自選句。あをあをと花冷の空ありにけり 益弘

花の雨

きょうの自選句。一力に停まるハイヤー花の雨 益弘

きょうの自選句。花咲いて祇園の夜空燃え易し 益弘

初花

きょうの自選句。初花や蛇口一滴一滴音 益弘

鳥雲に入る

きょうの自選句。鳥雲に亜細亜大陸蒼茫たり 益弘

黄砂降る

きょうの自選句。義経はジンギスカンに黄砂降る 益弘

きょうの自選句。化野に胡蝶の空のありにけり 益弘

きょうの自選句。三十六峰みな名をもちて霞けり 益弘

春うらら

きょうの自選句。うらうらと茶碗は買はで茶わん坂 益弘

春燈

きょうの自選句。春燈のともりて暗し先斗町 益弘

日永

きょうの自選句。清水に坂いくつある日永かな 益弘

春場所

きょうの自選句。春場所のざんぎり頭出世せよ 益弘

アネモネ

きょうの自選句。アネモネのアネモネ咲きや昼の酒 益弘

猫の恋

きょうの自選句。恋猫の鈴の高鳴る真くらがり 益弘

春寒料峭

きょうの自選句。料峭や紙の葬花の紙の音 益弘

春の海

きょうの自選句。遠き灯が真珠のごとし春の海 益弘

啓蟄

きょうの自選句。蟻穴を出て信長の草履の上 益弘

春夕焼

きょうの自選句。カナリヤは歌を忘れず春夕焼 益弘

春雷

きょうの自選句。春雷や戸棚の奥の蝮酒 益弘

陽炎

きょうの自選句。来し方や振り向くほどにかげろへり 益弘

柳絮

きょうの自選句。たましひの旅のはじまる柳絮かな 益弘