益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

花の昼

きょうの自選句。花の昼蛇口の落とす一滴音 益弘

櫻3

きょうの自選句。一切を水の見てゐし櫻かな 益弘

櫻2

きょうの自選句。ゆさゆさと空をゆすぶる櫻かな 益弘

きょうの自選句。逢ふ筈もなき人さがす櫻かな 益弘

しゃぼん玉

きょうの自選句。念々に飛ぶ念々のしやぼん玉 益弘

春睡 春眠

きょうの自選句。春睡の炎の中の金閣寺 益弘

牡丹の芽 芽牡丹

きょうの自選句。芽牡丹の触るべからざる炎かな 益弘

山笑う

きょうの自選句。しんがりに鬼門の山も笑ふなり 益弘

竹の秋風 竹の秋 竹秋

きょうの自選句。金色の竹の秋風吹くころよ 益弘※金色=こんじき

蜥蜴出づ

きょうの自選句。蜥蜴出で早や石仏に遊びをり 益弘

春の虹

きょうの自選句。天人の羽衣うすし春の虹 益弘

暖かし あたたか

きょうの自選句。あたたかや割れば粒餡ぎつしりと 益弘

汐干 潮干狩

きょうの自選句。太陽に飽きてしまひし汐干かな 益弘

陽炎 糸遊 野馬

きょうの自選句。陽炎へうしろ姿のつぎつぎ消ゆ 益弘

春塵 春の塵

きょうの自選句。春塵や仏の顔に躁と鬱 益弘

麗らか うらら

きょうの自選句。麗日や玻璃の向うの人通り 益弘

木の芽 山椒の芽

きょうの自選句。好日や錦市場に木の芽の香 益弘

春の土

きょうの自選句。ひとところ猫の執する春の土 益弘

春泥 春の泥

きょうの自選句。春泥の縁切寺へつづきをり 益弘

風光る

きょうの自選句。帆を揚げよ風生れ風光る頃 益弘

春夕焼

きょうの自選句。毀れたる木馬もまはる春夕焼 益弘

春睡 春眠

きょうの自選句。春睡の舟ながながと水脈曳けり 益弘※水脈=みお

春の昼

きょうの自選句。春昼の窓より覗く我が不在 益弘

鳥帰る

きょうの自選句。鳥帰る志賀にさゞ波あるばかり 益弘

黄砂降る 霾る

きょうの自選句。義経はジンギスカンに黄砂降る 益弘

花種蒔く

きょうの自選句。花種を蒔き幾許もなく逝きしひと 益弘

三月

きょうの自選句。三月の空を去る人来る人 益弘

きょうの自選句。蝶博士蝶を愛して娶らざる 益弘

春はあけぼの

きょうの自選句。春はあけぼの珈琲はアメリカン 益弘

朧夜

きょうの自選句。朧夜の京に図子とふ小径かな 益弘※図子=ずし