2011-01-01から1年間の記事一覧
自選句。大時計の内部の暗き掃納め 益弘
自選句。先斗町はんなりと年暮るゝかな 益弘
自選句。狐より賢からざる狐罠 益弘
自選句。にんげんを篩にかけて年歩む 益弘
自選句。一服の紫煙のゆくへ年惜しむ 益弘
自選句。顔見世も千龝楽や川に鳥 益弘
自選句。賀状書き了ふ皓々と月ありぬ 益弘
きょうの自選句。北風やおのれ支ふる一行詩 益弘
きょうの自選句。天皇の日やねもごろに墨を磨る 益弘
きょうの自選句。わがために紅き花買ふ寒暮かな 益弘
きょうの自選句。人参を微塵にすれば食ぶるひと 益弘
きょうの自選句。ひと時をひそやかに逢ふ年の暮 益弘
きょうの自選句。満目の枯れを見てきし深睡り 益弘
きょうの自選句。冬深し標本室の千の蝶 益弘
きょうの自選句。季寄せの背繕ふことも年用意 益弘
きょうの自選句。京さして風花の舞ふ荼毘の空 益弘
自選句。年の瀬をやをら過りぬ霊柩車 益弘
自選句。これやこの枝垂桜の枯木かな 益弘
自選句。冬の蠅存ふること咎に似る 益弘
自選句。母遺す編みし毛糸の未来形 益弘
自選句。凍夜ふと街角に降る電子音 益弘
きょうの自選句。西陣の機織る音や暮早き 益弘
自選句。山眠るふつと活断層のこと 益弘
自選句。十二月八日未明の放屁かな 益弘
自選句。運命のせゐにしてゐるおでん酒 益弘
きょうの自選句。三寒の四温の兆す雨気かな 益弘
きょうの自選句。ひそやかに恋人と逢ふ年忘れ 益弘
きょうの自選句。猫さまの家来となりて冬ごもり 益弘
きょうの自選句。過去帳に水子がひとり霙れけり 益弘
きょうの自選句。ユダのごと髭たくはへて冬籠 益弘