2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。故郷の先づはおはぐろとんぼかな 益弘
自選句。かなぶんになりてかの日へ帰りなむ 益弘
自選句。東山暮れても青き麦酒かな 益弘
自選句。御来光待つ二杯目の濃き珈琲 益弘
自選句。業平の終の栖の苔の花 益弘
自選句。玉虫や形見も減りし桐箪笥 益弘
自選句。朝焼褪せ高層街衢起動する 益弘
自選句。金閣の金を見すぎし霍乱か 益弘
自選句。葛切や祇園の燈しうつくしき 益弘
自選句。ハチ公はとはの忠犬梅雨滂沱 益弘
自選句。まつすぐな胡瓜つまらぬ世となりし 益弘
自選句。父の日の父さりげなく旅にあり 益弘
自選句。雨降れば雨を愉しむ籠枕 益弘
自選句。山椒魚人間嫌ひに徹しけり 益弘
自選句。網戸よりわたしの不在わが覗く 益弘
自選句。空梅雨か首を反らせる陶の亀 益弘
自選句。人類の脳重すぎる黴雨かな 益弘
自選句。この下闇を祇王寺と云ふべかり 益弘
自選句。学校に来ぬ子麦笛上手なり 益弘
自選句。山積みのバナナの中の日本かな 益弘
自選句。身の内の鬼を宥むる冷し酒 益弘
自選句。街娼の眼のあをあをと白夜かな 益弘
自選句。梅雨晴のイノダコーヒのテラス席 益弘
自選句。百の豚百の鼻ある溽暑かな 益弘
自選句。鑑真の聞きおはします五月闇 益弘
自選句。キームンの香りの向う梅雨の街 益弘
自選句。人類の滅びし星のゴキカブリ 益弘
自選句。七曜の早くもめぐる四葩かな 益弘
自選句。短夜や忘れてゆきし耳飾り 益弘
自選句。現し世をいつしかはづれ螢舟 益弘