2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。身の内の鬼を宥むる冷し酒 益弘
自選句。夏の河ふぐり濡らして徒渡る 益弘
自選句。葛切や暮色とゝのふ祇園町 益弘
自選句。香水や未だ源氏名より知らず 益弘
自選句。サントロペ水着濡らさぬ夫人ゐて 益弘
自選句。学校に七不思議あり五月闇 益弘
自選句。驟雨過ぐ箸の先なる箸休め 益弘
自選句。けさの卵に黄身二つ沖縄忌 益弘
自選句。玉虫や形見も減りし桐箪笥 益弘
自選句。ハチ公はとはの忠犬梅雨滂沱 益弘
自選句。山積みのバナナの中の日本かな 益弘
自選句。ヤマトンチュと呼ばれ泡盛ふるまはれ 益弘
自選句。父の日の父さりげなく旅にあり 益弘
自選句。空梅雨か首を反らせる陶の亀 益弘
自選句。御来光待つ二杯目の濃き珈琲 益弘
自選句。華燭とふ一つの別れ花氷 益弘
自選句。山椒魚人間嫌ひに徹しけり 益弘
自選句。網戸よりわたしの不在わが覗く 益弘
自選句。学校に来ぬ子草笛上手なり 益弘
自選句。七曜の早くもめぐる四葩かな 益弘
自選句。鑑真の聞きおはします五月闇 益弘
自選句。梅雨晴のイノダコーヒのテラス席 益弘
自選句。頬杖に支へて重き黴雨かな 益弘
自選句。鉛筆に木のかをりしてついりかな 益弘
自選句。人類の滅びし星のゴキカブリ 益弘
自選句。現し世をいつしかはづれ螢舟 益弘
自選句。この下闇を祇王寺と云ふべかり 益弘
自選句。六月の樟の香の雨降りにけり 益弘
自選句。法然院さまの緑蔭長居して 益弘
自選句。街娼の眸のあをあをと白夜かな 益弘