益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

シャワー

自選句。 決めかぬる明日シャワーを全開す 益弘

蚊遣火 蚊遣 蚊火 蚊取線香

自選句。 容赦なく急ぎ去るもの蚊遣香 益弘

端居 夕端居

自選句。 母逝きて父の端居の永くなり 益弘

片蔭 片かげり

自選句。 片蔭もゆかしき京の町家筋 益弘

夜店

自選句。 夜店の灯美しき飴買ひにけり 益弘

青簾 簾 葭簾 竹簾 伊予簾 絵簾 板簾 古簾

自選句。 簾を垂れて祇園新橋灯しごろ 益弘

木下闇 木の下闇 下闇 青葉闇

自選句。 この下闇を祇王寺と云ふべかり 益弘

夕立 ゆだち よだち 白雨 夕立晴 夕立雲 驟雨

自選句。 夕立あとなかなか香る東京都 益弘

蕗 蕗の葉 蕗の広葉 秋田蕗 伽羅蕗

自選句。 蕗を煮て町家の奥の暗きかな 益弘

五月闇 梅雨闇 夏の闇

自選句。 梅雨闇や壜の中なる日本丸 益弘

蟻 山蟻 大蟻 黒蟻 蟻の道 蟻の列 蟻の門渡り 蟻の塔 蟻塚

自選句。 夜の蟻這ひて白布を哀しうす 益弘

冷酒 冷し酒

自選句。 身の内の鬼を宥むる冷し酒 益弘

噴水

自選句。 噴水の翼たゝみし星夜かな 益弘

籠枕 陶枕 籐枕

自選句。 雨降れば雨を愉しむ籠枕 益弘

父の日

自選句。 父の日の父さりげなく旅にあり 益弘

梅雨 黴雨 走り梅雨 青梅雨 荒梅雨 梅雨空 梅雨雲 梅雨前線 男梅雨 長梅雨 迎へ梅雨 送り梅雨 戻り梅雨 梅雨湿り 梅雨夕焼

自選句。 人類の脳重すぎる黴雨かな 益弘

花氷 氷柱 氷彫刻

自選句。 極刑の一つとおもふ花氷 益弘

木下闇 木の下闇 下闇 青葉闇

自選句。 法然院さまの下闇長居して 益弘

網戸

自選句。 網戸よりわたしの不在わが覗く 益弘

昼寝 昼寝覚 午睡 三尺寝

自選句。 水槽の魚のみうごき昼寝覚 益弘

油虫 ごきぶり 御器噛

自選句。 人類の滅びし星のゴキカブリ 益弘

短夜 明易し 明早し 明急ぐ

自選句。 うつぶせに臥てゐる女明易し 益弘

白夜

自選句。 街娼の眸のあをあをと白夜かな 益弘

夏の蝶 夏蝶 揚羽蝶 青筋揚羽 黒揚羽 梅雨の蝶

自選句。 百里来て暫しの思案梅雨の蝶 益弘

溽暑

自選句。 百の豚百の鼻ある溽暑かな 益弘

鮎 年魚 香魚 鮎釣 囮鮎 鮎の宿

自選句。 鮎食うて六腑に香る貴船川 益弘

紫陽花 四葩 七変化

自選句。 七曜の早くもめぐる四葩かな 益弘

冷蔵庫

自選句。 忘れゐし魚と眼の合ふ冷蔵庫 益弘

六月

自選句。 六月の樟の香の雨降りにけり 益弘

蛍狩 蛍見 蛍見物 蛍舟

自選句。 現し世をいつしかはづれ螢舟 益弘