2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。秋蝶の何かせはしき花背かな 益弘
自選句。日時計の影鋭角に帰燕かな 益弘
自選句。粧へる山ふところの荼毘の径 益弘
自選句。ねもごろに紅を注しゐる竜田姫 益弘
自選句。秋の夜の振子時計の振子音 益弘
自選句。まぼろしの竜よ麒麟よ天高き 益弘
自選句。祇王寺の庭より昏れて竹の春 益弘
自選句。木の家が木の音立つる夜半の秋 益弘
自選句。医のゆるす一合の酒温めむ 益弘
自選句。久闊の京の松茸づくしかな 益弘
自選句。花道や背なで泣きをる負すまふ 益弘
自選句。老犬が老人を曳く秋夕焼 益弘
自選句。白鳥座研ぎ澄ましたる野分かな 益弘
自選句。風の名もかはりて鮎は落ちゆけり 益弘
自選句。夜業人なべて機械のしもべなる 益弘
自選句。水澄みて近江に富士のありにけり 益弘
自選句。くもりのち小鳥来てゐる金閣寺 益弘
自選句。秋雲や十で神童いまいづこ 益弘
自選句。竹春の門よりまゐる天龍寺 益弘
自選句。ひとつぶの栗の貫禄丹波かな 益弘
自選句。ピエロまだピエロのままの夜食かな 益弘
自選句。放たれし囮のとまる囮籠 益弘
自選句。銀閣に銀箔あらず秋のこゑ 益弘
自選句。父が炊き母に供ふる零余子飯 益弘
自選句。をんなよりをやま美し秋燈 益弘
自選句。水筒の番茶がうまし野菊晴 益弘
自選句。地球まろく葡萄一粒づつまろし 益弘
自選句。コンピュータひとり働く星月夜 益弘
自選句。調律の済みたるピアノ涼新た 益弘
自選句。美しき数式はあり秋の雲 益弘