2001-02-01 執着ということ 早朝、父から電話。何か?と驚く。「のど飴と競馬ブックを買って来い!」とのこと。のど飴はともかく競馬ブックには呆れる。病棟からこの週末、競馬をやろうという魂胆らしい。酒もタバコもきっぱりと断った父が唯一、やめられなかったギャンブル。顰蹙を買いそうだが、許したい気持ちである。人間、何某かへの執着なくしては生きられないのだと思う。言い換えれば、生臭く己の生に執着する限り人間は死なないのだと‥。昼過ぎに、甥を連れて見舞う。もちろん競馬ブックを携えてである。 冬蜂の死に所なく歩きけり 村上鬼城