益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

北野神社へ

昼前に病院へ。
眠剤が残っているそうで父はまだ朦朧としていた。
なかなか夜眠れないらしい。
父に限らずそれは入院患者の定番の悩みのようだ。
「我慢して昼間起きてようね。」と
看護婦が他の患者にも声を掛けている。
ほとんどベッド上で生活しているのだから、
なかなか眠れないのも理解できる。
患者も辛いが看護婦も辛かろうと思う。
病気はやはり人間最大の業苦である。

快晴。昨日にひきつづき春の陽気。
見舞いの帰り、北野神社に寄る。
白梅も紅梅もまだまだ蕾ばかりの株が多い。
しかし、所々見ごろになっている株もある。
人影もまばら、のんびりと
少し早い梅見を楽しんだ。

 梅の花の下にはなみだの壷がある  津根元潮