益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2007-01-01から1年間の記事一覧

鯨 勇魚(いさな)

きょうの自選句。さびしくて陸を見に来る鯨かな 益弘※陸=くが

煮凝り 凝り鮒

きょうの自選句。一合の酒を大事に凝り鮒 益弘

てっちり

きょうの自選句。てつちりやグリコのネオンまなかひに 益弘

寒の鵙 冬の鵙

きょうの自選句。寒の鵙武蔵の殺気帯びにけり 益弘

一葉忌

きょうの自選句。鯨尺使はず捨てず一葉忌 益弘※一葉忌は11月23日

木の葉

きょうの自選句。七曜の巡る早さや木の葉舞ふ 益弘

小春

きょうの自選句。京菓子の食ぶるに惜しき小春かな 益弘

寝酒

きょうの自選句。ウオツカを一口ふゝみ寝酒とす 益弘

勤労感謝の日

きょうの自選句。止まり木にひとり勤労感謝の日 益弘

しぐれ3

きょうの自選句。祖母静江享年三十しぐれけり 益弘

冬の水

きょうの自選句。金閣に逆さ金閣冬の水 益弘

雪嶺

きょうの自選句。未踏なる雪嶺を眼にしまひおく 益弘

返り花 忘れ花

きょうの自選句。狂ひ花なれど確かな梨の白 益弘

底冷2

きょうの自選句。底冷や上七軒の細格子 益弘

底冷

きょうの自選句。底冷の底を奔りて蒼き川 益弘

枯蟷螂2

きょうの自選句。客人の枯蟷螂と遊びけり 益弘※客人=まらうと・まらうど・まれびと「稀に訪ねてくる人」のこと

冬銀河

きょうの自選句。零歳で冬の銀河に加はりき 益弘

冬紅葉

きょうの自選句。忠興とガラシャの眠る冬紅葉 益弘

きょうの自選句。凩の蒼き星屑掃きのこす 益弘

枯蟷螂

きょうの自選句。恍惚と蟷螂の枯る藁の上 益弘

枯野2

きょうの自選句。大枯野見てきて昏々と睡る 益弘

枯野

きょうの自選句。落陽を一鳥よぎる枯野かな 益弘

十一月 2

きょうの自選句。あな白き十一月の昼の月 益弘

十一月

きょうの自選句。ひとひらの十一月の喪の葉書 益弘

時雨2

きょうの自選句。八ツ橋を焼くかをりせり初時雨 益弘

時雨

きょうの自選句。御香奠と書けばしぐれてきたりけり 益弘

きょうの自選句。猪はまつすぐ走り撃たれけり 益弘

菊の香

きょうの自選句。菊の香やなきがら耳を澄ますやう 益弘

冬隣

きょうの自選句。歳時記の表紙剥げさう冬隣 益弘

ボジョレーヌーボー

きょうの自選句。あす世界が終るとしてもボジョレーヌーボー 益弘