益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

秋暑

死人に口なし、と言う。
生き証人が居ては困る、という事件・事故がある。
だから、全員死亡もやむを得ない、という意思決定もある。
誤解しないで欲しい、ロシアの原潜事故のことではない。
一般的な話である。
国家権力とは、そう云うものだということである。
そして権力が歴史を記述するのである。
犠牲者の悲しみ、遺族の怒りは捨象される。
そうして事件・事故は歴史になってゆくのである。
残酷な言い方だが、それが現実なのだ。
権力はそうまでしても権力であらねばならないのである。
冷静にあくまでも冷静に直視しよう、
私が言える事はそれだけである。

暑さがぶり返した。温室に入っているような一日。
つくづく今年の夏は暑い、シツコイ。
明日は「WEB PAGE」発刊の日。
既に手にとった方々から
早くも感想、希望、注文のメールを頂いた。
皆さん、ありがとう。ご意見を反映し
版を重ねて、より良いものにしてゆきます。

 秋あつし鏡の奥にある素顔  桂 信子