益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

年惜しむ

27日。今年も、いや今世紀も押し詰まった。

 数へ日の数へるまでもなくなりぬ  鷹羽狩行

といったところだ。
残り少なくなって
初めていとおしくなるのが
酒と時間である。
しかし、
今年を惜しみ、今世紀を惜しむ気持ちも
元旦までであろう。
変えようのない過去を思いつつ
得体の知れぬ未来に立ち向かうのが人間だ。
また新しい365日が、100年が控えているのである。

残り少なくなった今世紀を大切に過ごしたい。
残り少なくなった酒を味わうように・・。

 ねんごろに古きもの焼き年惜しむ  森 絢子