益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

十年前のこと

今年は日本のプロ野球のことを
この日記に書かなかった。
メジャーリーグの話題に圧倒されて
見る気も書く気もしなかったからである。
しかし、今日の近鉄・西武戦は
日本のプロ野球も捨てたものではない、と
思わせるに充分だった。
ローズの55号ホームラン、
中村の逆転サヨナラホームラン
ニュースで見るだけでも興奮ものだった。
近鉄はマジック1、久々の優勝は先ず間違いないだろう。
私は近鉄ファンでもなんでもないが
関西人として親近感は強い。
あの南海ホークスのようになってくれると
ファンになるんだけどなぁ。

世界の、テロへの制裁行動の準備が
着々と整いつつあるようだ。
十年前、私は「湾岸戦争」を

国際貢献」自明のごとく云ふ者の正義に疲るる夜長なりけり
イラクの暴挙」支持する民を想ひをり寝苦しき夜の寝返りのたび

と、「朝日歌壇」に詠んだものだが
今、そんな「わたし」を見出だすのは我ながらもう困難だ。
世界よりも私自身が大きく変わり果ててしまったのである。

 冷かにわれを遠くにおきて見る  富安風生