益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

冬らしい冬?

暫定政府の骨格が決まったアフガンだが、
早くも先行きを心配させるムードである。
ラバニ大統領とかドスタム将軍といった、
各派の指導者の振る舞いが余りにも幼稚だからだ。
暫定政権での処遇を不服とした意趣返しなのだろうが、
この時期、その態度は余りにも卑しく小さい。
同じ男として、気持ちは解らぬではないが
指導者として失格と言わざるを得ないだろう。
アフガンの復興・新たな国作りという大義より
自らの栄達と権益に固執する姿勢に呆れる。
これまでタリバンが、この人たちを抑えて
この地を支配してきたのも当然のことと思ってしまう。

一方、タリバンの最高指導者オマル師は
カンダハルと引き換えにとうとう「命乞い」をしたようである。
この情報が事実とすれば戦争は速やかに収束するかも知れない。
同じ男として、それは実にみっともない態度と思うが、
指導者としては当然の決断かと考える。
暫定政府首相に決まったカルザイ氏はそれを了解したらしいが
米国がどう判断するかが問題だ。
現時点でタリバンを許すのは早い。
アルカイダ掃討が完了してから初めて考えることであろう。

昨夜来の雨が上がって寒くなってきたが
この時期の雨は暖冬の証拠でもある。
今年こそは冬らしい冬、と
寒がりの癖に少々期待してもいたのだが・・・。

 虚空なり雪ふたひらが逢ひて消え  加藤楸邨