益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

現実が戻って来る

明日が仕事始、現実が戻って来る。
今年はどの企業にとっても非常に厳しい年になりそうだ。
内外の環境は苛酷である。企業家のマインドは冷え切っている。
勤め人もまた断崖に立たされているに等しいと言える。
右肩上りの終焉、終身雇用の崩壊、リストラクチャリング・・。
バブル崩壊後を「失われた十年」などと
あたかも追想するかのように総括するが
それは既に終ってしまったことではないのである。
失われた十年」が「失われた二十年」にならぬという
保証はどこにもない。
今年は「小泉改革」の成否とともに
日本経済の正念場となることであろう。
それにしても、官にも民にも危機意識の希薄さを
感じるのは何故だろう?
飽食と物余りが現実を見えなくしているのか?
不安心理が現実直視を疎外しているのか?
確実にこの国の「没落」が始まっているというのに・・。

 ひそと来てひそと去りたる礼者かな  久保田万太郎