益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

「めでたさ」と私の俳句

早や九日、関西ではまだ「松の内」だが、
勤めも始まり正月気分は既に失せてしまった。
私の「新作ファイル」もようやく
以前のように一日十句程度を
アップできるようになった。
しかし、私は元々正月の句が苦手なのである。
正月なのだから当然のこととして
「おめでたい季題」がほとんどなのだが
その「めでたさ」がどうも私の感覚には
ミスマッチのようなのである。
「いのちの哀しさ、儚さ、寂しさ、切なさ・・・」
といったものを、その「めでたさ」の中に詠みこむのが
なかなか難しいからだと思う。
今月のこれまでの新作は、そんな苦闘の跡である。
御一読、御批評賜れば幸いである。

よく晴れたが寒い一日。
出勤時、粉雪がちらついていた。
帰ってこないナルを閉め出したまま出勤したが
夕刻帰宅すると健気にも玄関で待っていた。
さぞ寒かったことであろう・・・。

 松過ぎて年始まはりの役者かな  中村吉右衛門