ナルの思い出?
父や母が健在だった頃のことだが・・。
我々の生活のどこかにいつもナルがいた。
ナルが外出してなかなか戻らない時は
「ナル遅いね・・・。」と、誰ともなしに言い出したものだ。
ナルのために玄関や二階のサッシは
少しだけ開けられていた。
ナルに何を食べさせようか?を
先ず考え、我々は買い物をしたものだ。
客人が来るとナルは必ず紹介された。
人なつっこいナルはどんな客人にも
擦り寄って歓迎したものだ。
「賢い猫ですね・・・。」
誰もがそう言ってナルを誉めた。
ナルはいつも話題の中心だった。
ナルはわが家の自慢だった。
ナルの思い出は尽きない。
これからも時折、フラッシュバックするように
この日記に現れると思う。
逃げ水の先に逃げ水父のくに 小林義治