益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

今夜はお酒を少々控え目にして・・・

和歌の上の句、下の句を
二人以上の「連衆」が交互に詠み合ってゆく
文芸の一形式を連歌という。
読み手が詠み手になり、また詠み手が読み手になりつつ
連想で繋がってゆく、
それは共感と共同制作の「場の言語芸術」である。
俳句はその連歌の最初の上の句=発句が独立したものだ。
だから、俳句は一行詩として独立しつつも
「複数の読み手と詠み手」、つまり
「共感と共同制作」を、発生的に期待しているものなのである。

さて、「をんなのしりとり俳句」が好評だ。
しりとり俳句は連歌とは全く違って
もっぱら前の句の最終字をしりとりして
繋がってゆく俳句なのだが、
このところ「連衆」とも呼ぶべき、力量ある常連様が揃い
独自の「連想の世界」を創り上げて下さっている。
その腕達者ぶりが、まことに頼もしく
webmasterとして嬉しい限りである。
今夜はお酒を少々控え目にして
そんな常連様=「連衆」の大切な作品を
「過去ログ」として編集するつもりでいる。

 春の月ありしところに梅雨の月  高野素十