出会い
ネット社会の人間関係は
いわゆる「出会い系」に代表されるように
いかにも殺伐たる印象で語られがちだ。
実際は、それは大きな誤解なのである。
顔も名前も住所も知らない相手だからこそ
メールのやりとりは実にホンネに満ち満ちたものになる。
誰にも話せなかったこともメル友には話せるということもある。
初めてお会いした時、既に旧知というか親友なのである。
これまでに、私はそんな素敵な「出会い」を何度も体験した。
いわゆる「出会い系」は真の「出会い」ではない、
ただの「欲望の斡旋」なのである。
昨年、十五年前に別れた恋人と再会した。
彼女がイタリアに留学したきり、全くの音信不通になっていた。
偶々、彼女が私のホームページを見たのが
再会のきっかけになった。
彼女は国立大学の助教授になっていた。
「まさかホームページやってるとは、思わなかったよ・・。」
再会の時、開口一番彼女は
むかしのノリでそう言ったのだった。
イヤリング一つを外す一つ涼 小高沙羅