国連の問題処理能力
ブリクス氏、エルバラダイ氏の
「イラク査察追加報告」を受けて
国連安保理では査察継続の意見が大勢を占めた。
同時に世界的にも
反戦運動が嘗てない盛り上がりを見せている。
嘆かわしいことに現時点では、
イラクの「査察協力」を小出しにして
国際世論を分断し時間稼ぎをする戦略が
奏功しているというべきであろう。
しかし、
問題の本質が何も変っていないことに
我々は今こそ気づくべきなのである。
問題の本質は、
「安保理の対立」、
「国際世論の分裂」にあるのではない。
イラクが自らへの疑惑を
いかにして明確に晴らすか、
すなわち
いつ自発的に武装解除するか、
の一点にあるのである。
無期限の査察は何の意味も持たない。
また、何事をも決定し得ない「安保理」は
世界の危機を放置する「無用の長物」でしかない。
イラクの真剣で早急な対応とともに
国連安保理の問題処理能力そのものが
問われているのである。
しやぼん玉午後のまろび寝つづきをり 田畑益弘