益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

鴻池大臣は信ずるところを語れ

十二歳少年が犯した惨殺事件についての
鴻池大臣の発言が物議を醸している。
「市中引き回し」「打ち首」は喩えとしても
確かに下品な表現だが、大臣の気持ちは良く理解できる。
十四歳未満であるが故に子供が責任を問われないのなら
親が責任を取れ、というのは誰もが思うことである。
担任教師、校長も親に次ぐ責任があるのは当然のことだ。

少年の親や担任教師のプライバシーは一切解らない。
テレビで謝罪する校長の顔にはモザイクが掛かっている。
一方、被害者の葬儀や自宅には
レポーターが駆けつけて終日張り付いている。

この国のメディアは恥を知らないのであろうか?
加害者側には異常なまでに配慮し
被害者側には視聴率のために突撃取材を敢行する。
こういったものどもこそ
「市中引き回し」「打ち首」に処すべきではないのだろうか。

鴻池大臣は信ずるところを
これからも堂々と語れば良ろしい。
ただ、もう少し上品に言いなさいよ。


 蜻蛉生れ日出づる国の朝始まる  田畑益弘