益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

非業の死を利用する者

先日の日記で私は次のように記した。

<「中東でテロが起こると日本の野党が喜ぶ」と言われている。
日本の野党勢力は心情的に「反米テロリスト」に等しいということである。
更に言うならば
テロリストは日本の野党に格好の政府攻撃材料を与え
日本野党と反米メディアを利用して
日本政府そして日米関係を揺さぶっていると言うことである。>と。

案の定、今般の日本人外交官殺害事件で
野党と反米メディアが矢鱈と元気になっている。
テロかどうかも未だはっきりとしていないのだが、
あたかも鬼の首でもとったかのように
外交官二人の非業の死を政府攻撃・日米同盟攻撃の材料にしている。
自衛隊派遣の撤回はテロリズムへの屈服以外の何物でもない。
それは、テロを憎み悲しみ命を賭して
イラク復興支援に尽くしてきた二人の外交官の死を
「無駄死に」にすることに等しいのである。

例えば今、テロリストが次のような脅しを
日本に突きつけてきたとしよう。

「東京にテロ攻撃を敢行する。されたくなければ
 我々の秘密口座に一億ドル振り込め」

日本政府は当然拒否するであろう。
その判断は正しい。
しかしその結果として、
実際に東京でテロが起き、多数の死傷者が出た時
菅直人や反米メディアは何と論評するのであろうか?
「それ見たことか!おとなしくテロリストの言うことを聞いて
 カネを出しておけば良かったのに・・・」とでも言うのだろうか。

そしてまたぞろテロリストが調子にのって
日本政府に同じ脅しを掛けてきたとする。
菅直人や反米メディアは
「テロリストにおカネを出してあげましょうよ」とでも
大合唱するのであろうか?
是非、訊いてみたいものである。


 
 珠の如き御子生れたまふ冬青天  田畑益弘
 (2001年12月1日 内親王愛子様御誕生を祝して)