益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

虎が雨・曽我の雨

きょうの自選句。

さめざめと虎が雨夜となりにけり
吹き晴れてまた思ひ出で虎が雨  田畑益弘


※「虎が雨」
陰暦5月28日頃に降る雨のこと。「曽我の雨」とも云う。
曽我十郎の恋人「大磯の虎」の悲しみの涙だということで
「虎が雨」と呼んだ。曽我兄弟の仇討ちがあった、
建久4年(1193)5月28日の天気は雨、というところから来ている。
虎は十郎の死後、比丘尼となり諸国を行脚するが
曽我物語』真名本は、
この虎の大往生によって全十巻を閉じることになる。