2004-07-14 京町家 きょうの自選句。蕗を煮て町家の奥の暗きかな 田畑益弘※「鰻の寝床」と言われる京町家、間口が狭く奥が深い。この句はそんな京都の町家の構造を知っていないと理解できないかも知れない。また、現代のように玄関や窓を閉め切った暮しではこの句自体、成立しないとも言えそうだ。蕗を煮る匂いは通りに漏れてこず、町家の奥を窺うこともできないのであるから。古き良き時代の京の町家筋、ありふれた情景。