益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

高きに登る

きょうの自選句。

天網の疎の紺青へ登高す  田畑益弘

重陽節句の日、
古代の中国では山や岡に登って祝宴を開いた。
災難除けの行事。
よって「登高、高きに登る」は漢詩によく出てくるが、
季語としても使われている。
ただし、日本では行事としての実体はなく、
春季の「踏青」と同じく近傍の山へのピクニックくらいに
考えれば良い。
なお掲句は
「天網恢恢、疎にして漏らさず」を踏まえて詠んだ
句であることは理解して頂けるであろう。