2006-03-13 初燕 きょうの自選句。母郷より字も失せし初燕 益弘※「字」は「あざな」。母の里、京都府北桑田郡京北町が私の住む京都市右京区に編入された。京都市右京区京北になったのである。行政の最小区分「字」も消えた。母が生きていたらさぞ驚くことであろう。縦貫道路ができて、昔は遠かった母郷も車で一時間足らずの近郊になった。景色も変貌した。水田も藁葺屋根の農家も数少なくなった。鳶がのどかに旋回していた空には今、色とりどりのパラグライダーが舞っている。喜ぶべきか否か、妙な気分である。