自選句。 西陣の機織る音や日短 益弘
自選句。 忠興とガラシャのねむる冬紅葉 益弘
自選句。 千年の古都の水音浮寝鳥 益弘
自選句。 燗酒やをとこの自伝皆哀し 益弘
自選句。 紙ヒコーキの宙返り小春風 益弘
自選句。 三条に大橋小橋しぐれ過ぐ 益弘
自選句。 樹の上に猫の鈴鳴る小春かな 益弘
自選句。 三条に大橋小橋しぐれ過ぐ 益弘
自選句。 硯海のはつふゆの塵美しき 益弘
自選句。 底冷の底を奔りて蒼き川 益弘
自選句。 ひとゝせや冬の服より一名刺 益弘
自選句。 今朝冬の大八州の反り身かな 益弘
自選句。 胸の奥まで誰もゐぬ枯野かな 益弘
自選句。 恋人の名前はふゆ子冬よ来よ 益弘
自選句。 右手より左手冷ゆる歴史あり 益弘
自選句。 鮑入り和風バーガー文化の日 益弘
自選句。 冷まじや紙の葬花の紙の音 益弘
自選句。 11月1は淋しき数字かな 益弘
自選句。 人死して煙となりて秋高き 益弘
自選句。 鉛筆の芯をするどく鵙日和 益弘
自選句。 鳥渡る宙に起伏のある如く 益弘
自選句。 医のゆるす一合の酒温めむ 益弘
自選句。 百獣の王と眼の合ふ秋愁 益弘
自選句。 秋風や供華ある仏なき仏 益弘
自選句。 玲瓏と霜降の空ありにけり 益弘
自選句。 秋深し振り子時計の振り子音 益弘
自選句。 たれかれのそびらがとほし秋の暮 益弘
自選句。 惜秋や骨董街をたもとほり 益弘
自選句。 デッサンの線走らせて黄落季 益弘
自選句。 二階には二階の風や雁のこゑ 益弘