益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

短日 日短

自選句。 西陣の機織る音や日短 益弘

冬紅葉

自選句。 忠興とガラシャのねむる冬紅葉 益弘

水鳥 浮寝鳥

自選句。 千年の古都の水音浮寝鳥 益弘

熱燗 燗酒

自選句。 燗酒やをとこの自伝皆哀し 益弘

小春 小春日 小春日和 小春空 小春風 小春凪 小六月

自選句。 紙ヒコーキの宙返り小春風 益弘

時雨 しぐる 朝時雨 夕時雨 小夜時雨 片時雨

自選句。 三条に大橋小橋しぐれ過ぐ 益弘

小春 小春日 小春日和 小春空 小春風 小春凪 小六月

自選句。 樹の上に猫の鈴鳴る小春かな 益弘

時雨 しぐる 朝時雨 夕時雨 小夜時雨 片時雨

自選句。 三条に大橋小橋しぐれ過ぐ 益弘

初冬

自選句。 硯海のはつふゆの塵美しき 益弘

冷たし 底冷

自選句。 底冷の底を奔りて蒼き川 益弘

冬服 冬の服

自選句。 ひとゝせや冬の服より一名刺 益弘

立冬 冬立つ 今朝の冬

自選句。 今朝冬の大八州の反り身かな 益弘

枯野 枯野道 枯野人 枯野宿 枯野星

自選句。 胸の奥まで誰もゐぬ枯野かな 益弘

冬近し 冬隣

自選句。 恋人の名前はふゆ子冬よ来よ 益弘

冷ゆ

自選句。 右手より左手冷ゆる歴史あり 益弘

文化の日

自選句。 鮑入り和風バーガー文化の日 益弘

冷まじ

自選句。 冷まじや紙の葬花の紙の音 益弘

十一月

自選句。 11月1は淋しき数字かな 益弘

天高し 空高し 秋高し 高き空

自選句。 人死して煙となりて秋高き 益弘

鵙 百舌鳥 伯労鳥 鵙日和 鵙の晴 鵙猛る 鵙の声 鵙の高音.

自選句。 鉛筆の芯をするどく鵙日和 益弘

鳥渡る 渡り鳥

自選句。 鳥渡る宙に起伏のある如く 益弘

温め酒 酒温む

自選句。 医のゆるす一合の酒温めむ 益弘

秋思 秋愁 秋懐 傷秋 秋あはれ 秋さびし

自選句。 百獣の王と眼の合ふ秋愁 益弘

秋風 秋の風 素風 金風 鳩吹く風

自選句。 秋風や供華ある仏なき仏 益弘

霜降

自選句。 玲瓏と霜降の空ありにけり 益弘

秋深し 深秋 秋深む 秋さぶ

自選句。 秋深し振り子時計の振り子音 益弘

秋の暮

自選句。 たれかれのそびらがとほし秋の暮 益弘

秋惜しむ 惜秋

自選句。 惜秋や骨董街をたもとほり 益弘

黄落 黄落期

自選句。 デッサンの線走らせて黄落季 益弘

雁 かりがね 真雁 初雁 雁渡る 雁来る 雁の列 雁の棹 雁行 雁の声 落雁

自選句。 二階には二階の風や雁のこゑ 益弘