久々の逢瀬
いつものように彼女と四条河原町で落ち合う。
午後から雨の予報なのでどこに行こうか、と二人とも迷っている。
東福寺の通天橋が観たいと言っていたので、
とにかく行ってみようということになった。
東福寺は京都五山の一つ、臨済宗東福寺派の大本山だ。
大きな寺である。
自分が今、この大寺のどこにいるのか?把握できないくらいだ。
ともかく通天橋を目指す。
鬱蒼と茂った緑を見下ろす高い橋、まさにそれは天に通ずる渡り廊下だ。
見渡す限りの新緑も美しいが、これは紅葉の季節に来るのが最高だと思った。
去り難く橋上からの眺めを愉しみながら、
必ず紅葉を見に来ようと言い交わしたのだった。
さて明日は選挙。
余程のことがない限り棄権しないつもりだ。
万緑や木の香失せたる仏たち 伊藤通明