益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

ツバメのつんちゃん

青林檎で御馴染みのちゃぼさんからメール。
御存知の方もおられようが、ちゃぼさんは
「巣立ち」に失敗した?ツバメの子をなんとか自立させようと
このところ母親役をしていた。「ツバメのつんちゃん」のその後。

<エサを少ししか食べず、羽ばたきの練習をするつんちゃんは、
他の兄弟ツバメに比べて、半分以下の大きさでした。
親鳥からもらう、バッタならば、食べる事ができるのではと、
バッタを捕まえやすい隠れ家へ、連れていったのです。

もう、自立の時だったのでしょう。 エサを口の近くにもっていっても、
口も開けず、バタバタと羽を動かしています。
このままでは、空も見ず、枝にとまって、風を感じる事もないまま、
短い一生を終えてしまう。 そう思って、思いきって外に出し、
低い柿の木の枝にとまらせました。

思いきって飛び立つ、つんちゃんですが、支えきれずに落下。
それ以上は、もう無理なのです。
私がしてあげられた事は、それだけでした。

体は小さくとも、心は大人だったのでしょうね。
だから、羽の力も、体力もないのに、はばたきの練習をしていた・・・。
とても残念でしたが、今はつんちゃんは、椎の木の下で眠っています。
兄弟ツバメは、今朝、無事に巣立ったようです。>

私が多くを語る必要はないでしょう。ツンちゃんを除いて
みんな巣立って行って、ちゃぼさんの悲しみだけが残りました。

 夏つばめ同齢者皆一家なす  能村登四郎