益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

濁世

哀れな老人である。
職を追われ法外な慰謝料を払い、
四面楚歌の老人に既に未来はない。
けがらわしい老人である。
強制ワイセツ罪なのである。
執行猶予付きの有罪である。
老人は今、「恥ずかしい、格好悪い犯罪者」になった。
もう一度言おう、この老人はけがらわしい老人である。

閑話休題。一般的に、けがらわしい人間の出す金はけがらわしい金であろう。
しかし一般的に、そのけがらわしい金を受け取る行為が
果たしてけがらわしい行為なのかどうか?は、私には全くわからない。
テレビを見ても新聞を見ても、けがらわしい話でもちきりの一日だった。
塩を撒いておこうかな。

 処女句集冷汗三斗滝涸れる  山崎三猿