私はいつも季節を先取りして詠む癖がある。
今は初秋。九月になれば仲秋の句を詠むことになるだろう。
しかし、この暑さである。
連日、35℃を越えているのに
「新涼」も「爽やか」も「冷やか」もあったものではない。
私自身、詠んでいて白々しい気分になって来る。
しかし、だからといって立秋もとうに過ぎたのに
盛夏の句を詠む気にもならない。
・・・一日がはっきりと短くなった。
油蝉が退場し法師蝉が鳴いている。
夜は、秋の虫たちが懸命に命を燃やしている。・・・
気温を除けば、今は瞭らかに初秋なのである。
いつまで続く高温と少雨か?
俳句作者としても悩ましい日々が続いている。
初秋の蝗(いなご)つかめば柔かき 芥川龍之介