益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

トップの責務

北朝鮮が国連ミレニアムサミットへの出席を取りやめた。
フランクフルト空港での「出来事」の実際が
曖昧なので確たることは言えないが
北朝鮮を怒らせる何かがあったことは事実なのであろう。
非常に残念である。そして北朝鮮を国際社会に「普通に」
迎え入れることの難しさを改めて痛感する。
米国にとっては北朝鮮は未だに「テロ支援国家」なのであるから。

もうひとつ。北朝鮮側に切望すること。
どうして金正日総書記自らが、この記念すべき国連の場に
出ようとしないのか?という素朴な疑問。
総書記は言うまでもなく政治権力のトップである。
「君臨すれども統治せぬ国王」や「シンボル的存在」ではないはずだ。
クリントン大統領が、江沢民国家主席が、プーチン大統領が、金大中大統領が
顔を揃える場に自ら出てくる決断こそが局面を打開するのではないのか。
金永南氏の実務能力は高く評価するが、金正日総書記自らが
出てくることこそ国際的な「礼儀」であろう。
ナンバー2をナンバー1の代用にするのは非礼である。
六月の南北首脳会談で国際舞台に華々しくデビューした総書記の
次なる展開を、私は待望している。

 秋の雲立志伝みな家を捨つ  上田五千石