益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

遅すぎる!!

殺人罪は極刑即ち死刑である。
それは殺人事件の発生件数が減ろうと維持すべきものである。
発生件数と刑罰の軽重をリンクする発想は
朝令暮改に等しい。
罪の軽重に見合って刑罰の軽重が存在する。
当たり前のことである。

さて今日発行された、法務省の検察統計年報によると
昨年の少年事件の容疑者は一昨年に続いて漸減していると云う。
次の国会で改正が期待されている少年法論議に影響を
及ぼしそうな統計ではある。
しかし法務省が指摘する「凶悪、特異な事件は増えている。」
という事実を黙過する訳には行かないであろう。
刑事罰年齢を十四歳に引き下げる法改正は
妥当な、というより遅すぎた決断と言うべきなのである。
犯罪の凶悪化には重罰で対応するしかない。
凶悪な犯罪の若年化には重罰の対象年齢を下げるしかない。
それは当たり前のことである。
今日の少年犯罪の特異化、凶悪化への「対症療法」としては
それ以外にないだろう。
他にあれば、教えて欲しい、あくまでも即効的な「対症療法」を。
少年法は当然のこととして改正すべきである。
それは国民の多数意見である。
今、改正しなくて、将来どんな事態になれば改正すると言うのか。

 大いなるものの如くに霧動く  倉田紘文