さらばGNP!
注目された新基準による国内総生産(GDP)の速報値はプラスだった。
推計方法の変更があったとはいえ、
景気が「悪くはなっていない」ことは確かなようだ。
しかし、外需や公共投資の減速はいずれ数字として出てくる。
消費の意外な底堅さも先行きは決して楽観できない。
政府はまだまだ景気重視の経済運営を続けねばならないだろう。
堺屋経企庁長官の「花道」のような数字だ。
この有能な人には景気の真の自律的回復までは
辞めて欲しくないのだが・・。
ところで、今回の統計基準の採用で
国民総生産、いわゆるGNPの概念が消滅した。
経済のソフト化、情報化の何よりの象徴であろう。
聞き慣れた言葉が消えてゆく、一抹の寂しさ。
しかし、それは日本経済の脱皮を迫っているものなのだ。
暮早し機関車刻々黒さ増す 永田耕一郎