益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

暗澹たる新年

前世紀から今世紀を跨いで何と暗澹たるニュースが
続いていることか。
少年によるタクシー運転手強殺、世田谷の一家四人強殺、
点滴殺人、米子の新生児連れ去り・・・と
さぞ社会部記者には忙しく悩ましい日々であろうと思う。
ニュースを聞かされているこちら側も
気が滅入る、晩酌が不味く感じるくらいだ。
一体、この社会はどうなってしまったのか?
失われた十年」の後は「呪われた十年」なのか。
この閉塞状況をいかに打破するのかを、
一人一人が真摯に考え行動すべき時が来ているようだ。
社会全体が発狂前夜のように思われる。

冷たい雨の一日。
夜になって更に強く降ってきた。
青天の少ない、鬱陶しい新年である。

 なんでこれしきのテレビと初泣きす  石川桂郎