2001-01-17 阪神忌 古くて新しいのが俳句である。阪神・淡路大震災も多くの俳人に詠まれるようになった。昨日の日記に添えさせて頂いた一句も或る歳時記に取り上げられていたものである。被災者自身の率直な独白にハッとさせられる。歴史に残すべき秀句であろう。既に「阪神大震災」という新たな季題を敢えて立項している歳時記もある。己れが生きている、まさにその時代と真向いつつ詠むことを怠らない限り俳句は新たな生命力を獲得し続けるであろう。角川春樹編「現代俳句歳時記・冬」より 地震あと春待つ顔を上げにけり 桂 信子 冬芽持つ朴は地震にも倒れざる 森田 峠 言の葉の失せし寒さや阪神忌 手塚美佐 悴みて地震の夜明を待つばかり 稲畑汀子