益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

母の日

午前に弟夫婦が、午後から甥が御参りに来る。
親戚の弔問には気疲れするが
兄弟や若者は気安くて良い。
形式ばらなくて済む。
悲しみを共有し、淋しさを紛らわせてくれる。
しかし、彼らにも彼ら自身の生活がある。
みんな帰ってしまえば、
猫三匹と私一人の夜がまた来る。
しぃーんとした夜の空気が
悲しみを研ぎ澄ますようだ。

昨日に続き暑い一日。
済まさねばならぬことが多々あり
明日はまだ出勤しない。

 母の日の大きな枕買つてひとり  舘岡沙緻