明日、早くも四十九日
明日は父の四十九日。
早いものだ。
父を看取ることなく逝かせてしまった、
その日の悔恨がつい先日のことのように甦る。
母に続いて、父を喪った寂しさを乗り越えようと
以来、必死に走ってきた。
不用家財の処分や家のリフォームも
不急のことに違いない。
何でこの時期に、と眉を顰める親戚もいた。
しかし、私はじっとしていられなかったのである。
父や母の遺品を眺めて思い出に浸るような、
心の余裕は私にはなかったのだ。
振り返ることなく、これから先だけを
考えてきた。その良し悪しはともかく
私にはそれしかなかったように思うのだ。
夕刻より本格的に降り始めた。
明日はせめて傘の要らない、
忌明けであって欲しいと願うのだが‥。
さびしくて青林檎噛む芯まで噛む 中村苑子