益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

早や肌寒

十月初旬の涼しさだそうだ。
猫たちが寒がっている。
私は相変わらずTシャツと短パンという出で立ちであるが
今日はもう冷房は要らない。
ソファーに座っていると
チコとミーが身体を摺り寄せて来る。
寒がっているのがよく分る。
ナルは王者らしく
暖かいテレビの上を占領して眠っている。
猫たちも猛暑からの急な温度変化に
さすがに戸惑っているように思う。
今夜は見ていなくてもテレビを点けたままに
しておくつもりだ。

三匹の猫たちと私は運命共同体である。
祖母が、母が、父が、溺愛した猫たちである。
甘やかすまいと思いながらも
ついつい甘やかしている自分に気づくこの頃である。

 秋の夜の猫のあけたる障子かな  細川加賀