益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

「WEB PAGE?」立ち読み

「WEB PAGE?」の刊行が間近に迫った。
最後に来て、「あとがき」の一文やカバーデザインに
修正を出して版元の編集者を困らせていたが、
ようやく決定した。
編集部の近刊紹介によると、
3100句余が収録されているようだ。
自分で勘定したことがないので、
我ながら驚いている。
編集部が紹介(立ち読み)用に抜粋してくれた句を
次に記しておく。

月蝕(げっしょく)に祗園囃子(ぎおんばやし)の今滾(たぎ)つ

太虚(おおぞら)を円くつくりて蟻地獄

白夜にて女に煙草教へけり

百姓の貌に溝ある旱(ひでり)かな

ひもじさも戦(いくさ)も知らぬ水着かな

稲妻にのつそりと蝦蟇(がま)光りけり

秋刀魚(さんま)焼けば母在りし日の夕空なり

白皙(はくせき)のシスターの嗅ぐ冬薔薇(ふゆそうび)

春陰やうつむき癖のある少女

千年の古都の十方冴返る

悲しい日金魚の水を替へてやる

春の闇をんなささめく耳の側

老人の正座美し竹の秋

蝸牛(かたつむり)われは父亡き家を負ふ

詳しくは下記を御覧頂きたい。
http://www.taiyo-g.com/new.html

 天上もわが来し方も秋なりき  中村苑子