四権分立
現代は三権分立ではなく
メディアを加えた四権分立だと、
評論家、森田実さんが以前
夕刻のニュース番組で言っていた。
権力を看視し、批判すべきジャーナリズムが
巨大化して自ら「権力」と化してしまった現状を
素直に言いあらわしていると思う。
メディアが悪を暴くのを見聞するのは実に痛快なことだ。
しかし、その「右に習え」的な、横並びの報道が、
人権を蹂躙し、真実を歪曲し、過剰な反応を
大衆に惹起してきたこともまた否めない事実である。
全ての権力は監視され、抑制されねばならない。
メディアは適切に法によって規制されるべき時代を迎えているように思う。
いわゆる「劇場型民主主義」を演出しているのはメディアである。
自業自得とは言え、次々と登場させられる悪役こそ哀れだ。
国民は、その悪役に野次をとばし、
懲らしめられる姿に拍手喝采するだけの
「愚かな観衆」でしかない。
そこでは既に、民主主義は滅んでいるのである。
どこまでが雲どこまでが蜃気楼 上野たかし