益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

何度も書こうとして躊躇っていたこと

今まで何度も書こうとして躊躇っていたことを書く。
わが家のすぐ近くの集合住宅の一室で
児童虐待が行われている、と思われること。
若い母親がおそらく自分の子を虐待している。
子供は三、四歳の女児だと思われる。
しかし、確たる証拠があるわけではない。
毎日毎日、母親?の狂ったような怒声と
女児の「痛い!痛い!」という
悲鳴、絶叫が聞えてくるだけなのだから・・・。
怒声が聞え、悲鳴が聞え、怒声が聞え、悲鳴が聞え・・・
の繰り返し、それが延々二時間くらい続くのである。
このことに気づいてからは
その執拗さに気分が暗澹として
胸が悪くなる程である。

私はどうすればいいのだろうか?
他人のプライバシーを侵してはならない。
虐待ではなく躾なのかも知れない。
知らぬ振りをしているべきなのかも知れない。
実際、暗然としつつも
私はこれまで結局知らぬ振りをしているだけである。
周辺の住民もおそらく同じ気持ちなのであろうと考える。

どうすれば良いのだろうか?
今日もまたその「怒声と悲鳴」が
先程まで聞えていた。

 飛騨の子の花いちもんめ梅雨晴間  松崎鉄之助