益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

「朽ち惜しさ」

織田信長明智光秀の謀反で、
非業の死を遂げる「本能寺の変」ほど
日本史上、口惜しい出来事はない。
もしも信長が生きていたなら、
そのまま日本の統治者になっていたなら、
現在の日本さえも全く違う国家になっていただろう
と考える。

信長は鎖国をしなかったであろうから、
日本の近代化は格段に早まったであろう。
富国強兵も殖産興業も数百年早く
達成されていたであろうと思う。
歴史に「もしも」はナンセンスだが
信長の死がこの国にとって
大いなる損失であったことは
疑うべくもないことであろう。

大河ドラマ利家とまつ」を見ていた。
本能寺の変」をTVドラマで見る度に
いつも同じ「朽ち惜しさ」を覚えてしまう。

 炎天の遠き帆やわがこころの帆  山口誓子