住基ネットは予定通りに

住民基本台帳ネットワークの稼動を目前にして
一部自治体や野党、そして与党の一部にも
延期論が噴出している。
メディアにも冷静さを失した、
殆ど感情的な反対論を垂れ流すヤカラが出てきた。
それは、ネットワークのセキュリティと
個人情報保護法案の未成立を絡めての愚かな反論である。

はっきり言って、一般的に
ネットワークのセキュリティが100%完全などということはあり得ない。
個人情報保護法案が成立していようがいまいが、
セキュリティのレベルは何一つ変らないのである。
テクノロジーの問題と法律を混同してはならない。
あのペンタゴンでさえ有能なハッカーには
侵入されてしまう時代なのである。
それは開かれたシステム、インターネットの宿命なのである。
ネットを巡る法整備を急がねばならないことは
言うまでもない。
しかし、法整備があたかも
住基ネットのセキュリティを高めるかのような
可笑しげな幻想を振りまくべきではないだろう。

ＩＴへの無知、ネットへの無知が
この国では未だに大手を振って歩いているのが
情けない次第である。

　海が打揚げしもの焚く熱砂の上　　西東三鬼