治安そのものが揺さぶられている
何年前だったか、確か正月前のこの国を
震撼させた世田谷の一家惨殺事件を思い出した。
福岡の一家殺人事件。
幼い子供まで殺してしまう
犯罪者の「憎悪、恨み」とは
どんなものなのか?
私には想像もつかない。
計画的犯行でありながら
随分とずさんな面も見られる犯行である。
この犯人は捕まると思うし、
絶対に捕まえねばならぬと思う。
殺された被害者、その遺族、地域の人々のためにだけではない。
日本の、日本社会の治安そのものが揺さぶられているのである。
世田谷の一家惨殺事件は未だに解決されてはいない。
この福岡の犯人を捕まえられねば
日本人の、日本社会の規範意識は
加速度的に崩壊していくばかりである。
「勧善懲悪」の崩壊は一切の崩壊に等しい。
古今東西、殺人は人間社会に「つきもの」ではある。
しかし、現代におけるその変容と
目に余る凶悪化を放置しておいて良い筈はないのである。
もの思ふべし黴の中黴びぬため 田畑益弘